『平家物語』
『平家物語』の諸本は、
語り本:琵琶法師が各地で語ったもの(「平曲」と呼ぶ)を
テキストにする。
読み本:読み物として増補したもの
の二系統に属する。
『平家物語』の魅力
『平家物語』が、それまでの文学作品とで大きく異なるのは、「声」によっても、広まった作品(平曲)だったことです。
たとえば『源氏物語』は54帖ありますが、当時は印刷機やコピー機はもちろんなかったので、書き写されたものが読み継がれ、世に広まりました。
しかし『平家物語』は、読み物と並行して琵琶法師が各地で語り伝えてきた文学作品でもありました。
有名な「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり」ではじまる盛者必衰の理を描く、この物語は佐藤嗣(継)信の義経への忠心ぶりや、那須与一が扇の的を弓矢で射抜く場面、または壇ノ浦での義経の活躍と安徳天皇の入水という平家滅亡の様子を、琵琶の音とともに法師が心情豊かに語りました。
『平家物語』に関連する本を集めました。ぜひご覧ください。