2025年1月、ナチス・ドイツがポーランドに設置したアウシュヴィッツ強制収容所が解放されてから80年が経ちます。アウシュヴィッツの解放は、第二次世界大戦におけるユダヤ人への迫害・大量虐殺の終息を意味し、人類がどれほど恐ろしい過去を乗り越えたのかを物語っています。二度と同じようなことが起きてはならないと、世界中の人々が思ったのではないでしょうか。

 私たちは凄惨な過去に学んだはずでした。しかし長い年月の中で、世界ではまた同じ過ちが繰り返されています。内戦が続くシリアにあるサイドナヤ刑務所。アウシュヴィッツの再来と言われたこの刑務所では、不当な拘束や酷い拷問、違法な処刑が行われていると報告されてきました。2024年12月にシリアのアサド政権が事実上崩壊し、サイドナヤ刑務所が解放されるまでに多くの人々が犠牲になったと言われています。長年に渡る非人道的扱いからの解放は、自由を望んできた人々の希望への第一歩となったことでしょう。


 過去の出来事は、その教訓をどのように現代に生かすべきかを私たちに問いかけてきます。強制収容所で命を落とした多くの人々、その歴史的な事実を忘れず、平和の尊さを再確認することが今、私たちに求められているのではないでしょうか。

期間:2024.12.27~