よねざわ市民ギャラリー オープンギャラリー(エントランスなどの共有スペース)
では、米沢市上杉博物館収蔵のアートコレクションの中から、置賜ゆかりの作家による
近現代の美術作品を展示しています。
令和5年度 第3期 「彫刻の魅力 木彫と塑像」

会期:2023年10月27日(金)~2024年1月24日(水)
場 所:よねざわ市民ギャラリー(ナセBA) エントランスホール・共有スペース
概要
「彫刻」には、大理石や木材を彫っていく“カービング”、粘土や土を使って型を作る“モデリング”という制作方法があります。ひとえに彫刻と言っても、様々な制作方法で形を作っていくことがわかります。このカービングやモデリングの他に、ブロンズ等の金属を使う“キャスティング”、近年増え始めた鉄・段ボール、プラスチックなどを使って組み立てていく“アセンブリング”といった方法もあります。
今回のオープンギャラリーでは、“カービング”と“モデリング”のうち、木彫と塑像という正反対の制作手法に焦点を当てます。米沢・置賜ゆかりの作家の作品からその技法に着目し、彫刻の空間表現をご紹介します。
【作家】
桜井祐一(さくらい ゆういち) 1914-1981
米沢市出身の彫刻家で、17歳からほぼ独学で彫刻をはじめ、のちに日本美術院彫刻部の平櫛田中に師事しました。20歳で日本美術院展覧会(院展)に初入選して頭角を現し、5年後には院友に推挙されました。戦後は、具象彫刻の中心的作家のひとりとして「ネグリジェの女」などのシリーズで確固たる地位を築き、戦後日本彫刻史の主要な作家となりました。
阿部誠(あべ せい) 1932~2002
山形県長井市に生まれ、28歳で上京し、桜井祐一に師事しました。31歳で第3回S.A.S(彫刻家集団)展で「女のトルソ(1)」「女のトルソ(2)」が奨励賞を受賞、同集団が国画会 彫刻部門合流後は国画会で活躍しました。表情や指先といった細部を造り込むことよりも、「量感」や「動勢」などの彫刻の構成要素そのものへの関心を向けた作品を制作しました。
鈴木実(すずき みのる) 1930~2002
山形県高畑町生まれ、18歳の時に桜井祐一に師事しました。25歳で日本美術院院友に推挙され、日本美術院小品展に出品し数々の賞を受賞しました。31歳の時にS.A.S(彫刻家集団)結成に参加、同集団が国画会 彫刻部門に参加後は、国画会で活躍しました。内面性を重視した作風と鎌倉仏師の後継者といわれるほどの優れた木彫技術は、日本を代表する彫刻家の1人と評価されています。
【技法】
塑像(そぞう)
彫刻の技法のひとつで、粘土で作った像のこと。現代においては、ブロンズ像の原型で用いられることが多い技法。
木彫(もくちょう)
木材を用いて、形や模様を彫る技法のこと。
出品作品

寒山拾得
桜井祐一
木彫着色
制作年未詳

寒山拾得
桜井祐一
ブロンズ
1955

渚
桜井祐一
ブロンズ
1975

子供と紙風船
阿部誠
木彫着色
1979

若い女
阿部誠
ブロンズ
1977

上杉謙信象
鈴木実
木彫着色
昭和

上杉鷹山象
鈴木実
木彫着色
昭和
作品は全て米沢市上杉博物館所蔵。
展示の様子






*作品には触らずにご鑑賞ください。また、作品の前での飲食などはご遠慮ください。
過去のオープンギャラリー

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