よねざわ市民ギャラリー オープンギャラリー(エントランスなどの共有スペース)
では、米沢市上杉博物館収蔵のアートコレクションの中から、置賜ゆかりの作家による
近現代の美術作品を展示しています。
令和6年度 第2期 「「髙森務回顧展」関連企画 髙森務と米沢ゆかりの作家たち」
会期:2024年7月26日(金)~10月23日(水)
場 所:よねざわ市民ギャラリー(ナセBA) エントランスホール・共有スペース
概要
今回のオープンギャラリーでは、令和6年度ギャラリー自主事業「髙森務回顧展」に関連企画として髙森務とゆかりのある作家たちを取り上げます。戦後間もない時期、米沢青年文化連盟の美術クラブの中心として髙森と活動した黒澤梧郎、米沢美術連盟の一員として共に活動した遠藤桑珠、桜井祐一、福王寺法、高森が絵の指導をした後藤克芳を取り上げます。
髙森務(たかもりつとむ) (1909 ~ 2016/明治42~平成28)
米沢市生まれ。米沢中学(現米沢興譲館高校)卒業後、山形師範学校(現山形大学教育学部)を経て小学校教師となりました。教師時代から、人形劇団青空クラブを結成して人形劇を通して児童センター、児童会館など子どもの居場所づくりのための活動を行い、「米沢こども新聞」「米澤直江會」「広介先生を偲ぶ会」などの設立運営に尽力しました。生涯を通して美術を愛好し、自らも水彩画を中心に多数の作品を残しています。
【作家】
桜井祐一(さくらいゆういち) (1914 ~ 1981/大正3~昭和56)
米沢出身の彫刻家。16歳から彫刻をはじめ、中央工学校建築科を中退後、1932年(昭和7)から平櫛田中に師事し、木彫を学びました。1934年(昭和9)、日本美術院彫塑研究所に入り、弱冠20歳で第21回の院展に初入選しました。木彫、塑像をともに手掛け、5年後には院友に推挙されました。戦後1961年(昭和36)にはS.A.S(彫刻家集団)の結成に参加、具象彫刻の代表作家の1人として活躍しました。髙森務とは、米沢に疎開した際に発足した米沢美術連盟の一員として共に活動しました。
遠藤桑珠(えんどうそうじゅ) (1917 ~ 2011/大正6~平成23)
米沢市出身の日本画家。1937年(昭和12)、20歳で中村岳陵に師事しました。初めは院展に出品し、院友に推挙されるが、師とともに日展に移り、長く活躍しました。桑珠の作品は、穏やかな色調と明快な構図に特徴があり、風景画をよく描いていました。1960年代以降、ヨーロッパやメキシコなど異国の風土や文化と出会い、桑珠の作品に新たな色彩や構図をもたらしました。2005年(平成17)米沢市功績者。髙森務とは米沢美術連盟を結成し、活動しました。
福王寺法林(ふくおうじほうりん) (1920 ~ 2012/大正9~平成24)
米沢市出身の日本画家。幼少期に米沢の絵師 上村廣成に日本画の手ほどきを受けました。その後、日本美術院に出品し、1960年(昭和35)に同人となりました。初期の頃は、身近な米沢の風景などを手がけましたが、1974年(昭和49)以降、ヒマラヤ山脈をモチーフにし、より自然に迫った作品を多く手がけました。1994年(平成6)日本芸術院会員、2004年(平成16)文化勲章受章。髙森務とは、長年にわたり親しい交流がありました。
黒澤梧郎(くろさわごろう) (1937 ~ 1999/昭和12~平成11)
山形県東置賜郡 川西町生まれの洋画家。1937年(昭和12)米沢興譲館中学(現 米沢興譲館高校)卒業後、東京美術学校(現東京藝術大学)入学、1948年(昭和23)前衛美術会創立会員となりました。その後、無所属となり、ヨーロッパ・パキスタン・インド へ取材旅行を経て、仏像を描くことをライフテーマとしました。1970年以降は各地で個展を開催し、県内の公共施設などに多く作品を残しています。1991年(平成3)日本文化復興会より、国際芸術文化賞授与。髙森務とは、米沢青年文化連盟の美術クラブ立ち上げの一員としてともに活躍しました。
後藤克芳(ごとうかつよし) (1936 ~ 2000/昭和11~平成12)
米沢市出身のポップアート作家。武蔵野美術学校(現 武蔵野美術大学)西洋画科卒業後、アメリカ ニューヨークで36年間、ポップアートやデザインで活躍しました。幼少期に父親を亡くし、教員であった母親に育てられ、就学前に脊椎カリエスを患い、身体的なハンディキャップを背負いましたが、母の勧めもあり、絵の道を志しました。1964年(昭和54)に山形新聞社特派員として渡米し、文筆、商業デザイン、ファッションコーディネートなど様々な仕事で生計を立て、制作活動を続けました。髙森務は、後藤の最初の絵の師でもあり、渡米の際には支援者の1人として奔走しました。
出品作品
少年
桜井祐一
木彫
1947年(昭和29)
MAIL BOX
後藤克芳
木、ブリキ、アクリル
1977年(昭和52)
落葉
福王寺法林
紙・素描
1957年(昭和32)
かりん
福王寺法林
紙本著色
昭和20~30年代
女神
黒澤梧郎
キャンバス・油彩
木通の頃
遠藤桑珠
紙本著色
1946年(昭和21)
作品は全て米沢市上杉博物館所蔵。
展示の様子
*作品には触らずにご鑑賞ください。また、作品の前での飲食などはご遠慮ください。
過去のオープンギャラリー
過去のオープンギャラリーページはこちらにまとめています。