ナセBAブックス
“新書の古書”へようこそ
日本における「新書」の歴史は、昭和13(1938)年11月20日の『岩波新書』発刊に始まります。昭和2(1927)年に「万人の必読すべき真に古典的価値ある書」を低価格で広く普及することを意図して『岩波文庫』が発刊されましたが、「古典の岩波文庫」とは別に、「現代人の現代的教養」を掲げた『岩波新書』がスタートしたのです。それは、縦173㎜、横105㎜の新書版と呼ばれる判型の誕生でもありました。その後、中公新書や講談社現代新書など新書判という判型がブームとなり、およそ100種類もの新書が刊行されることになりました。岩波新書の発刊から78年経った現在でも、常に新しい時代の先端をとらえる人気書籍として新書の刊行が続いています。
当館では、「岩波新書」を刊行時より購入し続けており、紛失やよほどの損傷のため除籍されたものを除き、そのほとんどを収蔵しています。今回、5階壁面書庫に配架しているすべての新書を2階フロアに開架しました。既存の開架新書を含めると、1万冊を超える新書を手に取ってご覧いただけることになります。ぜひこの機会に、懐かしい一冊に出会ってみてはいかがでしょうか。