「一隅(いちぐう)を照らす」。天台宗を開いた最澄の言葉を生涯心にとめたのが、アフガニスタンの地で人道支援に携わってきた中村哲医師でした。異国の地で様々な困難に立ち向かう中で、支えになった言葉。この言葉が、長く続いたアフガニスタンでの中村医師の支援活動に及ぼした影響を考える時、あらためて「言葉の力」を感じずにはいられません。人は様々なものから力をもらい、人生を歩み続けます。その中でも、かたちのない「言葉」は、本・口伝など多様な媒体を経て、書き留められそして記憶されていきます。図書館とはまさにその「言葉」を、本を通して皆さんに提供する場所だと思います。

さあ、新しい年私たちはどんな言葉に出会うのでしょうか。「日々是好日」とは、来る日も来る日も楽しく平和なよい日が続くよう、一日一日を大切に生きるという意味の禅語です。

この一日を良き日として生きる、それが行く末の幸せにつながる。私たちは、そこに「言葉」も付け加えます。「日々是言葉」、日々言葉を感じ、励まされ生きていく。図書館は、2023年も皆さんに多様な本から、「言葉」を見つけ出すお手伝いをいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

期間:12/23(金)~2023.1/25(水)