今読むべきはこの本2023夏- この夏、あなたの当たり前をうたがってみる -

 図書館には、利用者が本を運ぶためのブックカートがある。先日、本をたくさん抱えている方にブックカートの利用をすすめると、「本の重みが好きなんです。どれだけ自分が本を読んだか実感できるから」という言葉が返ってきた。その言葉を聞いて、重い本は持ちたくないだろう、少しでも身軽に動きたいはずだ、という先入観が自分の中にあったのだと気付かされた。

 絵本作家ヨシタケシンスケの作品、『みえるとかみえないとか』をご存じだろうか。宇宙飛行士の主人公は、様々な星を巡り、様々な人に出会う中で、人にはそれぞれ“いろんな「あたりまえ」”があることに気がつく。自分にとって、あるいは多くの人にとっての当たり前も、他の誰かにとっては当たり前でない時がある。そんな違いを受け入れていきたいと思わせてくれる作品だ。

 さあ、今年も夏がやって来る。みなさんはこの夏、どんな本と出会うだろうか。『みえるとかみえないとか』の主人公が、様々な星で“いろんな「あたりまえ」”を見つけたように、ぜひこの夏、多様な本の世界に触れてみてほしい。素晴らしい功績を残した人物について書かれた本、ハンディキャップに屈せず様々な挑戦を続ける人の本、そしていつか私たちの身にも起こるかもしれない物語…。そこには、様々な自分とは違う当たり前があることに気付かされるだろう。そしてそんな読書体験が、これまで当たり前としてきた価値観について改めて考えるきっかけになればと思う。そうして私たち一人ひとりの意識が変わっていくことが、誰もが自分らしく生きていける社会をもたらす、大きな一歩に繋がるはずだ。

期間:6月23日(金)~8月23日(水)


男女共同参画週間 -その考え当たり前じゃないかも?-

 毎年6月23日~29日までの1週間は「男女共同参画週間」です。「男女共同参画」とは、男女の性別にとらわれず、社会の対等な構成員として、それぞれの個性や能力を発揮できる社会を目指していこうという取り組みです。男女ともに個人が尊重され、自分らしく活躍できる社会について、みなさんで考えていきませんか?
 令和5年6月26日(月)~6月30日(金)まで、市役所1階市民ホールにて、市の地域振興課によるパネル展が開催されています。ぜひ合わせてご覧ください。

期間:6月23日(金)~7月11日(火)