日本の夏といえば、怖い話ですね。
いつも夏には、恐怖映像がテレビで放映され、映画でも心霊ものが大賑わいです。
古くは「日本国現報善悪霊異記(にほんこくげんほうぜんあくりょういき)」から不思議な話は伝わっており、お岩さんで有名な「四谷怪談(よつやかいだん)」を経て、現代の怪談へとその独特の恐怖が受け継がれています。人の営みとともに、怪談は変化していきます。怪談が変化すれば、もちろん怪談の主役たるお化けたちも進化します。

1980年代に「花子さんブーム」で全国の小学校のトイレが恐怖に慄いていた頃、トイレのほとんどは和式でした。現在では、洋式が主流となり、花子さんもやりにくかろうとおもいきや、花子さんだって進化します。
ちゃんと、現在の文化に合わせて洋式からその姿を現します。いくら、街が明るくなっても通信機器が新しくなっても、お化けはその文化に寄り添い、行き過ぎた文明には警鐘を鳴らしています。

ところで、こちらをお読みになっている皆様は、今年の夏は「怪談」をお楽しみになったでしょうか?お化けのほとんどは、自ら語りかけてくることはなく、我々生きている人間が、あちら側の世界をのぞき込んでくるのを今か今かと楽しみに待っています。
そう今も、あなたの近くで待っています。

期間:8/26~10/26