田中俊雄(たなか としお、1914~1953)という米沢出身の人物をご存知で しょうか。米沢の機屋の家に生まれ、柳宗悦・濱田庄司・河井寛次郎が起こした「民藝」運動に参加し、昭和14年(1939)から15年にかけて3回、沖縄を訪れ、同地や八重山諸島、台湾等の織物の調査研究を行いました。
しかし、玲子夫人との共著『沖縄織物裂地の研究』を刊行した翌年の昭和28年(1953)に、38歳の若さで亡くなります。まだこれから『沖縄織物文化の研究』、『御絵図帳の研究』と沖縄の織物の研究を刊行する予定の、志半ばでの事故死でした。
田中が生涯をかけて収集した沖縄の織物の裂地や調査ノート類は現在、沖縄県立博物館・美術館や日本民藝館に収蔵されています。沖縄は太平洋戦争において焦土と化し、人々の生活も文化も破壊されつくされました。昭和27年(1952)、田中夫妻は沖縄織物文化の復興に役立ててもらうべく、自身が収集した裂地を沖縄に寄贈します。
来年は田中俊雄の没後70年にあたります。また昨年は「民藝」運動を起こした柳宗悦の没後60年でもありました。「民藝」という言葉が生まれてからおよそ100年。「民藝」運動の中で田中俊雄が残した功績を地元米沢で展示紹介します。
展覧会名 市立米沢図書館 先人顕彰コーナー 企画展「田中俊雄展―沖縄織物を救った米沢人―」
会 期 2022年1月28日(金)~3月23日(水)
休館日:2/1(火)~2/7(月)(蔵書点検期間), 2/24(木)
開館時間 平日 10時~19時 土日祝 9時~19時 *図書館の開館時間に準じます。
会 場 ナセBA 中2階先人顕彰コーナー(多目的展示室)
料 金 無料
主 催 公益財団法人米沢上杉文化振興財団