2024年1月、大河ドラマ「光る君へ」が始まります。主人公は紫式部。世界最古の女性文学と言われる「源氏物語」を生み出した女性です。
紫式部を語る上で、藤原道長の存在は外せません。道長は、紫式部の教養の高さを評価し、娘・彰子の側仕えとして彼女を宮中に迎え入れます。宮中で働きながら「源氏物語」の執筆をしていた彼女に、道長は紙や筆、硯を提供するなどして多大な支援をしました。また、道長は「源氏物語」の主人公、光源氏のモデルになったとも言われています。彼の存在や手厚い支援は、物語を書き綴る上で欠かせないものだったことでしょう。
一説では、ふたりは愛人関係にあったと言われていますが、真偽は定かではありません。しかし、花や歌を交わし合っていた記述が残っており、ただの雇用関係、執筆者と後援者という枠を超え、お互いにとって特別な存在であったことがうかがえます。
人と人との関係を表すとき、家族や友人、恋人など既存の名称だけでは表現し得ない特別な関係があるかと思います。力強い絆で結ばれた二人、信頼し合える仲間、憎しみ合うライバルなど、単純な言葉の枠に収まらない関係性の間に生まれる物語は、いつの時代も私たちの心を揺さぶります。今回の特集では、紫式部に関連した本の他に、登場人物たちの中に特別な関係性を感じられる物語も併せて集めました。決して他人が踏み込むことのできない、その人たちの間にだけ生まれる繋がり、世界観を堪能ください。
期間:2023.11.25(土)~2024.1.24(水)