「雑草という植物などない」日本の植物学の父と言われる牧野富太郎の言葉である。

幼いころから植物が好きだった牧野は、目に留まる美しい花に、時として名前がないことに気が付く。「名がないなら、つけてあげればいい」植物を心から愛し研究を続け、その植物の生き様に敬意をもって接した、牧野富太郎ならではの言葉だろう。

 さあ、今年も長く厳しい冬が終わり、まもなく花が咲き揃う春がやってくる。今回のテーマはボタニカル。「植物の、植物学上の」(『リーダーズ英和辞典』(第3版)研究社刊)という意味で、最近は様々な分野・商品にも使われている。中でも今回は、「花」と「春」に焦点を当ててみたい。もっとも植物に心動かされる春に、多様な視点からもう一度植物を観察してみてはどうだろうか。皆さんが待ち望んだ春に、本からの情報が花を添えてくれるにちがいない。

  参照:『牧野富太郎植物の神様といわれた男』         横山充男著 くもん出版2022年刊

期間:3/24(金)~5/24(水)