書店では売り場の多くの面積を占め、図書館でも新しい本が続々と入ってくる「文庫本」。小さいサイズでどこでも手軽に持ち運びができ、廉価なものが多い為、大変手に入れやすい。読書好きには、まさにもってこいの「本」である。

 ところで、一体どういうものを「文庫本」と呼ぶのだろう?図書館にある辞書で【文庫本】を引いてみる。

ぶん-こ【文庫】(和語「ふみくら」に当てた漢字を音読した語)(中略)④出版物の形式の一つ。普及を目的とし、小型(A6版)で携帯して読むのに便利な廉価本の叢書。(『広辞苑(第7版)』岩波書店、2018年)

ぶん-こ【文庫】(書物をいれておく くら)(中略) 小型のシリーズによる、名著(普及の望まれる本)の廉価版(の名)。(『新明解国語辞典』三省堂、2020年)

 『広辞苑』と『新明解国語辞典』の言葉を要約すると「すごく読まれていて、面白いのでこれはもっと普及すべき。便利な大きさにして手に入りやすい価格にしてもっといろいろな人に読んでもらいたい!」ということだろうか。辞書の言葉を信じるなら「名著」なのだ。と、いうわけでタイトル「クローズアップ 文庫本 ―文庫本は小さな宇宙だったー」読みだしたら止まらなくなる文庫本たち。心ゆくまでお楽しみください。

特集期間:2023.05.26(金)~2023.06.21(水)