米沢善本完全デジタルライブラリー

 「米沢善本」とは、市立米沢図書館が所蔵する最も貴重な古典籍群です。
米沢図書館が開館したのは明治42年(1909)、藩校・興譲館から引き継いだ古典籍類を基本蔵書として開館しました。その中には智将・直江兼続が京都五山の僧との交流で得た貴重な漢籍・和書も多く含まれていました。そうした貴重書は、「珍書」として目録が整備され、珍書蔵(石蔵)で大切に保管されました。
 
そして、昭和32年(1957)にはハーバード燕京同志社東方文化講座委員会の専門家の方々によって、米沢図書館の古典籍類の悉皆調査が行われました。その成果として翌33年に、全国的にみても貴重な善本208部に解題が付けられ、『米沢善本の研究と解題』が刊行されたのです。
 
米沢図書館は、専門家から善本と選定された208部の古典籍群を「米沢善本」として管理保管することとしました。昭和60年には米沢市の文化財に指定され、平成5年にはマイクロフィルム化が行われました。そして平成24・25年度には公益財団法人図書館振興財団の助成を受け、市立米沢図書館デジタルライブラリーを構築、米沢善本208部の書誌と画像をインターネット上で公開しています。
  1. 毛詩疏 (モウシソ)
    「詩経」の注釈書。巻1の第1行に「附釈音毛詩注疏巻之一 周南関睢詁訓伝 孔穎達疏」とあるが、本文は疏のみで、注疏本から疏を鈔録したものと考えられる。随処に訓点や朱墨の書入れがあり、異本によって校勘した語を加え、欄外には玉篇や経典釈文を引いている。
  2. 周礼註疏 (シュウライチュウソ) 42巻
    儒学経典「周礼」を注釈したもの。「宣賜之記」と「内賜」の印が捺されているが、内賜の経緯を記した内賜記はない。
  3. 曲礼全経附伝集 12巻 附録2巻 (キョクライゼンキョウフデンシュウ)
    曲礼は日用の礼を記したもの。『礼記』49編の冒頭の2編が曲礼。万暦5年(1577)の序、隆慶5年(1571)の自序あり。
  4. 春秋経伝集解 (シュンジュウケイデンシッカイ) 30巻
    春秋(五経の一つ・歴史書)を解説した「左氏伝」に、晋の杜預(とよ)が注を付けたもの。 本書は南宋の興国軍学刊本の覆刻本で、匡郭外の博士家説などの書入れが多い。
  5. 精選東萊先生左氏博議句解 (セイセントウライセンセイサシハクギクカイ) 8巻
    呂祖謙の『東莱左氏博議』より著名な句86を撰出し、まず句の出処と主意を述べ、ついでその語の詳細な解説と政治的論評を加えたもの。
  6. 中庸章句大全 或問附 (チュウヨウショウクタイゼン) 4巻
    中庸は儒教の「四書」の一つ。宋の朱熹が著した注釈書『中庸章句』がよく知られる。内賜記はなし。
  7. 四書直解指南 (シショチョクカイシナン) 27巻
    「四書直解」は明の張居正が、神宗が経莚を開くにあたり、帝に進呈した講義草案。後に焦竑が増補を加えた。眉欄の文はこれに対する楊文奎の指南で、直解を要約解説したもの。本書は万暦39年(1611)の刊本。
  8. 四書蒙引 15巻 別録 1巻 (シショモウイン)
    四書(大学・中庸・論語・孟子)の注釈書の一つで、明の蔡清撰。本書は万暦15年(1587)序の刊本。
  9. 古文孝経 (コブンコウキョウ)
    古文孝経の写本。奥書によると、慶長3年の清原賢好自筆本を、万治3年に清原栄相が筆写、さらに寛文4年に書写したも。清家の読法を伝える点で貴重。
  10. 孝経大義 (コウキョウタイギ)
    孝経の注釈書で、元の董鼎の注。本書は朝鮮刊本で、序文に「輔養庁重刊」、封面に「己卯新刊 孝経 春坊蔵板」とあり、輔養庁本を覆刻したものであろう。
  11. 許氏説文解字五音韻譜 (キョシセツモンカイジゴオンインプ) 12巻
    宋の太宗の雍熙3年、徐鉉等が詔を奉じて説文に校訂を加えたとき、説文韻譜10巻を作ったが、のち李燾がこれにもとづいて韻によって文字を分類したもの。
  12. 纂図附音集註千字文 (サンズフオンシュウチュウセンジモン) 3巻
    李暹の注が付く「千字文」。鎌倉時代の写本を、近世期に写したものと考えられる。
  13. 広韻 (コウイン) 5巻
    北宋の陳彭年らが敕命によって編纂した韻書で、中古漢語を知るためには不可欠な資料である。本書は元統3年(1335)に中国の日新書堂で刊行されたもの。
  14. 韻鏡 (インキョウ) 1巻
    隋唐時代の漢語の発音を一覧表にしたもので、紹興31年(1161)に張麟之によって初めて刊行された。中国では佚亡したが、日本に伝来し漢字音を知る重要な資料として珍重された。本書は享禄版韻鏡の写本。
  15. 改併五音集韻 (カイヘイゴオンシュウイン) 15巻
    金の韓道昭によって編纂された韻書。序によれば、荊璞編の『五音集韻』(現存せず)を改編したもの。本書は万暦年中の刊本。
  16. 古今韻会挙要 (ココンインカイキョヨウ) 30巻 附1巻
    中国の元代に編纂された韻書の一つ。黄公紹の編纂した「古今韻会」(現存しない)に対し、元の熊忠が作った挙要(ダイジェスト版)である。本書は応永5年(1398)の刊本で、巻末に「応永五歳姑洗日幹縁藤氏権僧都聖寿重刊釈氏 一周」の刊記がある。
  17. 経史正音切韻指南 (ケイシセイオンセツインシナン)
    元の劉鑑によって編纂された韻書。本書は、巻首に正徳8年の知湖広京山県事夏玄の跋があり。
  18. 翰林詳校字義韻律鰲頭海篇心鏡 (カンリンショウコウジギインリツゴウトウカイヘンシンキョウ) 20巻
    中国の明代、万暦年中に刊行された字書の一つ。この頃、「海篇」という名称の付く字書が多種刊行された。
  19. 増修附註資治通鑑節要続編 (ゾウシュウフチュウシジツガンセツヨウゾクヘン) 30巻
    宋元2朝の編年史。張光啓が、明の梁寅の『宋史略』、張美和の『元史節要』によって編纂し注を附した『資治通鑑節要続編』(宋元通鑑節要続編)巻に、劉剡が増補をほどこしたもの。
  20. 東華録 (トウカロク) 16巻
    中国,清朝に関する編年体の歴史書。清初より雍正3年に及ぶ。本書は、米沢藩校・興譲館の総監・香坂昌直(号は衡山・字が維直)の写とされる。
  21. 歴朝故事 (レキチョウコジ) 10巻
    歴代の故事を諸書より採集分類したもので、天文・地輿・歳時等々25門に分けている。万暦35年の序。
  22. 右編補 (ウヘンホ) 10巻
    明の唐順之が歴代の奏議を集めて『右編』を編し、その歿後に劉曰寧、朱国楨が補って刊行したが、それを更に補ったもの。
  23. 擬表 (ギヒョウ) 6巻
    中国・清の趙登捷が、琉球で表文(琉球から中国皇帝におくる公文書)を編集分類したもの。旧林泉文庫本。
  24. 孔子通紀 (コウシツウキ) 8巻
    孔子の道統と世系、その言行、孔子歿後に歴代王朝が贈った褒号・封号、歴代の孔子の祭祀、さらに孔子の弟子や孔子の子孫のこと記す。
  25. 歴代君臣図像 (レキダイクンシンズゾウ) 2巻
    中国史上に著名な君臣のうち、40名の君主を上巻に、68名の臣下を下巻に収め、君臣の図像を前半葉に掲げ、後半葉にその事跡を記し、賛を加えた。
  26. 古今人物論 (ココンジンブツロン) 36巻
    明の鄭賢が、三皇・五帝を始め中国の歴史上著名な人物に関する諸家の評伝を輯録して、その後に彼自らの評論を加えた書。本書は万暦36年(1608)の刊本。
  27. 有象列仙全伝 (ユウショウレッセンゼンデン) 9巻
    中国古来の仙人497名の伝記・逸事を集め、図像を附したもの。明末の刊本と思われるが、図は刻線が細く美しい。
  28. 五朝名臣言行録 前集10巻、後集14巻、続集8巻、別集26巻、外集17巻 (ゴチョウメイシンゲンコウロク)
    中国宋代の名臣といわれた人々の言行や逸話などを列伝風に記した書。前集・後集は朱熹、続集・別集・外集は李幼武が撰した。帝王学のテキスト、臣下の手本として,中国・朝鮮・日本で広く読まれた。
  29. 排韻増広事類氏族大全 (ハイインゾウコウジルイシゾクタイゼン) 10巻
    古今の歴史上の人物を、姓によって韻の順序に排列し、それぞれ逸事美談について題を加え小伝が附してある。
  30. 精刻張翰林重訂京本排韻増広事類氏族大全 (セイコクチョウリンジュウテイキョウホンハイインゾウコウジルイシゾクタイゼン) 27巻
    元の時代に作成された氏族大全に、明の張溥が元明の部分を加えたもの。本来この版本は全28巻(蓬左文庫本など)であるが、本書は目録にも28巻が欠落しており、完本のようにみえる珍しい例。
  31. 大明一統志 (ダイミンイットウシ) 90巻
    中国の明代に作成された全国地誌書。本書は大判の朝鮮活字印本であるが、40巻までの32冊で、41巻以降を欠く。
  32. 文献通考 (ブンケンツウコウ) 348巻
    上古より南宋の嘉定年間(1208~24)に至る歴代の典章制度の沿革を記した、儀式制度文献。
  33. 史臠 (シレン) 25巻
    中国の歴史書である二十一史の要点を抜粋して、年代順に配列した史学入門者の参考書。本書は万暦46年(1618)序の刊本。
  34. 帝鑑図説 (テイカンズセツ) 6巻
    明の張居正が、皇太子(後の神宗)のため、上代から宋までの諸帝の政治の善悪を、絵入りで説明したもの。本書は慶長11年に豊臣秀頼が刊行したもので、承兌の跋を欠く。表紙は朝鮮の表紙で改装。
  35. 貞観政要 (ジョウガンセイヨウ) 10巻
    「貞観の治」で知られる唐の太宗が、群臣と交わした政治議論を40編に分類収録。為政者の必読書となる。本書は、徳川家康が慶長5年に刊行した伏見版。
  36. 新刊性理大全 (シンカンセイリタイゼン) 70巻
    性理学(朱子学)の大全集。明の永楽帝の命で、胡広らが『五経大全』『四書大全』と共に編纂したもの。本書は嘉靖31年(1552)に双桂書堂で刊行された新刊。
  37. 性理大全 (セイリタイゼン) 70巻
    性理学(朱子学)の大全集。明の永楽帝の命で、胡広らが『五経大全』『四書大全』と共に編纂したもの。本書は朝鮮刊本であるが、年書・刊地を明示しない。
  38. 因学紀聞 (インガクキブン) 20巻
    経史詩文等に関する考証学の先駆けとなった書で、日本には室町時代から伝えられ五山僧の間でよく利用された。本書は宝徳3年(1451)に伊勢朝明郡(三重県)の宝勝寺で書写されたという、古い鈔本である。筐底に「元禄十二年六月矢尾板三印改之」の記がある。
  39. 武備志 (ブビシ) 240巻
    中国、明代の兵法書で、古今の戦術・武器・地理学に関する軍事知識を集大成した。天啓元年(1621年)、明の茅元儀により編纂、刊行された。全240巻に及び、膨大な図譜を添付する。
  40. 武経総要 前集22巻、坿百戦奇法1巻 後集21巻、坿行軍須知2巻 (ブケイソウヨウ)
    中国、北宋代の兵書。仁宗の命で曾公亮・丁度らが編纂。本書の終わりに、紹定4年濠州学校教授趙体、万暦27年鄭魏挺の跋があり、南宋の紹定4年刊本に基づいた正統4年刊本の重刻本であることがわかる。
  41. 武経標題正義 7巻、坿武経節要1巻 (ブケイヒョウダイセイギ)
    武経七書に節をきって標題をつけ註解をほどこしたもの。最初の序および末尾の蓮牌木記の文字を削除しているが、公文書館、東北大で所蔵の本は、万暦16年序とある。
  42. 施氏七書講義 (セシシチショコウギ) 42巻
    武経七書(孫子・呉子・司馬法・三略・六韜・尉繚子・李衛公問対)の注釈書。本書は足利学校所蔵の九華自筆本と、内容体裁、冊数、欄外の書入れが一致しており、足利本の写本と考えられている。
  43. 七書直解 (シチショチョクカイ) 25巻
    兵学初心者のため武経七書(孫子・呉子・司馬法・尉繚子・李衛公問対・三略・六韜)に注釈をほどこしたもの。
  44. 軍林兵人宝鑑 (グンリンヘイジンホウカン) 2巻
    兵書。内閣文庫(公文書館蔵)には室町期の写本がある。
  45. 司牧療馬安驥集 (シボクリョウバアンキシュウ) 7巻附1巻
    中国で唐時代に作られた馬医書で、日本にも伝わり仮名で再編集された「仮名安驥集」が広く用いられた。本書は弘治17年(1504)の序が付く、世界的にも古い刊本と評価されている。
  46. 馬経通玄全論注解 (バケイツウゲンゼンロンチュウカイ) 6巻
    馬の疾病の療法で、項目を分けて症状とその説明があり、療法を歌で示し図解を附したもの。『四庫全書総目提要』の子部医家類存目の中の「司牧馬経痊驥通玄論六巻」にあたる。本書は、米沢善本45「司牧療馬安驥集」とセットで麻谷蔵書に入ったものと思われる。
  47. 図像水黄牛経合併大全 (ズゾウスイキギュウケイガッペイタイゼン) 2巻
    牛の良悪の鑑別法と疾病の治療法とを記し図解をほどこしたもの。元々は、『元亨療馬集』(6巻)の付本か。本書は単独で入り、万暦元年(1573)の刊本。
  48. 揚子太玄経 10巻、首1巻 (ヨウシタイゲンキョウ)
    『太玄経』は中国・前漢の揚雄が『易経』にまねてつくった占いの書。明の趙如源等が校訂し、天啓6年(1626)に刊行されたもの。
  49. 地理全書 (チリゼンショ)
    地理とは古く中国では墳墓・家宅を営むさい、土地の方位吉凶を相する術であって、これに関する7種の書を集めたもの。各書とも巻によって題目、撰者名がことなっている。
  50. 霊棊経 (レイキキョウ) 1巻
    中国で編集された占いの書籍で、室町時代の写本。12枚の棋を投げ、その出た面による145の組み合わせによって吉凶を判断した。
  51. 続博物志 (ゾクハクブツシ) 10巻
    宋の李石が、晋の張華が著した『博物志』にならって、諸種の異聞を集め、天象、地理等の順に分類配列したもの。本書は弘治18年(1505)の刊本。
  52. 鶴林玉露 (カクリンギョクロ) 16巻
    南宋の羅大経(らたいけい)が著した随筆集。詩や文学の批評を中心に逸話・見聞を収録。本書は、万暦12年(1584)の刊本。
  53. 余冬序録 (ヨトウジョロク) 65巻
    諸書より、名人の言行・故事を抜粋、また自己の見聞等を備忘のため記したもの。とくに明代の典故、官制、風俗等の研究に有用である。本書は嘉靖7年(1528)の刊本。
  54. 琅邪代醉編 (ロウヤダイスイヘン) 40巻
    明の張鼎思が、給事中より滁州駅丞に貶謫されたとき、憂悶を晴らすため、諸事の記事を抜粋して分類編次したもの。本書は万暦25年(1597)序の刊本。
  55. 増広古註蒙求 (ゾウコウコチュウモウギュウ) 3巻
    蒙求(中国の唐時代に、人物の伝記や説話をまとめた児童用教科書)の注釈本。本書は近世の転鈔本で、楊守敬の『日本訪書志』巻11には、徐状元補注本より後出で、旧注本に基づき節略したものと紹介される。
  56. 錦繍万花谷 前集40巻、後集40巻 (キンシュウバンカコク)
    『錦繍万花谷』は、南宋の淳熙15年(1188)頃に編された類書。本書は嘉靖14年(1535)序の刊本。
  57. 新編古今事文類聚 前集60巻、後集50巻、續集28巻、別集32巻、附新集36巻、外集15巻 (シンペンココンジブンルイジュウ)
    古今の書から諸般の事項を抜粋分類し、その根拠を示した分類百科辞典ともいうべきもの。元明時代にかけて流布し、このほかに元の祝淵の遺集15巻を加える。
  58. 新編古今事文類聚 (シンペンココンジブンルイジュウ) 221巻
    古今の書から諸般の事項を抜粋分類し、その根拠を示した分類百科辞典ともいうべきもの。本書は朝鮮刊本で、「宣賜之記」の印を捺すが内賜記は無し。
  59. 万宝詩山 (マンポウシザン) 38巻
    宋の葉景達が編じた作詩者のための類書。本書は宣徳4年(1429)に書林葉氏広勤堂より刊行されたもの。
  60. 群書類要事林広記 (グンショルイヨウジリンコウキ) 12巻
    南宋の陳元靚(ちんげんせい)が著した、古今の書より各種の事項を抜粋分類した民間類書。本書は弘治5年(1492)の刊本。前、後、続、別、新、外集よりなり、外集下は補抄(写本)。
  61. 新編事文類聚翰墨全書 甲集12巻乙集9巻丙丁戊集各5巻己集7巻庚集24巻辛集10巻壬集12巻癸集11巻后甲集8巻后乙集3巻后丙集6巻后丁集8巻后戊集9巻 (シンペンジブンルイジュウカンボクゼンショ)
    祝穆の『事文類聚』にならって編纂された、詩文作成のための典故集。本書は正統元年(1436)の刊本だが、別本(米沢善本62)の混入も指摘される。
  62. 新編事文類聚翰墨全書 甲集10巻乙集12巻丙集19巻丁集9巻戊集10巻己集11巻庚集10巻辛集24巻壬集11巻癸集17巻 (シンペンジブンルイジュウカンボクゼンショ)
    祝穆の『事文類聚』にならって編纂された、詩文作成のための典故集。本書は泰定元年(1324)の刊本とされる。
  63. 韻府群玉 (インプグンギョク) 20巻
    詩作者用に編纂された韻書であり、その韻のもとに語彙の典拠となる文献を配した類書も兼ね備える。本書は元統2年(1334)の刊本である。
  64. 彊識略 (キョウシリャク) 40巻
    初学者の平生心得おくべき常識備忘の書。天文・地理・帝王・礼儀・音楽など40類に分け、諸書より抜粋編纂したもの。本書は万暦17年(1589)の刊本。
  65. 三才図会 (サンサイズエ) 106巻
    中国の明代に、王圻(おうき)が編纂した類書で、図解の百科事典。万暦35年(1607)の序をもつ。
  66. 人鏡陽秋 (ジンキョウヨウシュウ) 22巻
    中国古今の手本とすべき人物を、忠・孝・節・義の4部に分類し、挿絵を配して解説し、著者の評を加えた書。本書は万暦28年(1600)序の刊本。
  67. 事言要玄集 (ジゲンヨウゲンシュウ) 32巻
    諸書を抜粋し、内容により天集3巻、地集8巻、人集14巻、事集4巻、物集3巻の5部に類纂したもの。本書は万暦46年(1648)序の刊本であるが、補抄(写)の部分あり。
  68. 士民備覽万珠聚嚢不求人 (シミンビランマンジュシュウジョウフキュウジン)
    小型の家庭用百科辞典ともいうべきもので、天文・地輿・人紀・官品・諸夷等の26門に分かれている。「万暦皇帝万々歳」の記載から、万暦年中の刊行と思われる。
  69. 文浦玄珠 (ブンポゲンジュ) 6巻
    春秋戦国より宋に至る人々の逸話を集めている。万暦14年(1586)序の刊本。
  70. 金剛般若波羅蜜経註解 (コンゴウハンニャハラミッキョウチュウゲ) 1巻
    仏教書。巻末に「康暦二年庚申八月日重刊於臨川寺」の刊記を写す、明の洪武刊本の覆刻である臨川寺版の写本。室町末期の写と考えられ、全巻に朱点をほどこす。
  71. 科註妙法蓮華経 (カチュウミョウホウレンゲキョウ) 7巻
    仏教書。元は1頁5行の折本を、8行ごとに切り貼りして袋綴にしている。 鎌倉末期の刊本と考えられ、巻末に元の元貞元年の刊記を刻す。元版の覆刻であろう。
  72. 首楞巖義疏注経 (シュリョウゴンギショチュウキョウ) 10巻
    宋代の仏教書で、禅法の要義を説いた『首楞厳経』の注釈書。首楞厳とは梵語「シューランガマ」の音訳で、意味は「勇者として進み行く者」、すなわち菩薩のあり方を意味する。
  73. 仏果圜悟禅師碧巖録 (ブッカエンゴゼンシヘキガンロク) 10巻
    中国の仏教書で、代表的な公案集。「施主栄林総繁菴主」「前総持承天大和尚奉報御恩也」の陰刻刊記があり、室町時代初期の総持寺刊本である。元の大徳年間杭州張氏刊本の覆刻。
  74. 虚堂和尚語録 (キドウオショウゴロク) 4巻
    宋の僧、虚堂智愚の言行録、詩偈、文疏などを集めた書。本書は慶長元和頃の古活字印本か。毎冊、米沢禅林寺の開山・九山和尚の蔵書印あり。
  75. 隆興仏教編年通論 (リュウコウブッキョウヘンネンツウロン) 28巻
    中国に仏教が伝来した後漢から五代に至るまでの、約900年間の中国仏教における事蹟を編年で記したもの。本書は寛永年間の活字印本で、宋版本を覆刻した五山版に基づいたものと考えられる。
  76. 人天眼目 (ニンテンガンモク) 6巻
    中国・宋代の仏書で、当時の中国の禅宗五門の要義を集めたもの。本書は室町期の写本で、巻末に南宋刊本を覆刻する旨を記した。乾元2年正月桂堂瓊林の刊語を移写する。
  77. 釈氏要覽 (シャクシヨウラン) 3巻
    中国・宋代の仏書で、仏教の故実や名目の簡潔な解説書。本書は室町末期の鈔本と考えられ、後序の前に、習法堂司比丘行妙勤書とあるのは、鈔写者の自署であろうか。
  78. 列子 (レッシ) 8巻
    中国、古代の書で、別名「冲虚至徳真経」。戦国時代の道家・列子 と弟子が書いたものを、東晋の張湛がまとめたとされる。本書は写本で、多くの注が入る。
  79. 鍥南華真経三註大全 (ケイナンカシンギョウサンチュウタイゼン) 21巻
    『南華真経』は道家の書『荘氏』の別称。本書は万暦21年(1593)に閩書林余良木より刊行されたもの。
  80. 消搖墟 3巻 寂光境 3巻 長生詮 1巻 無生訣 1巻 (ショウヨウキョ ジャクコウキョウ チョウセイセン ムセイケツ)
    消揺墟は道家63人、寂光境は61人の僧の事蹟を記し図像を附す。長生詮は道家と道経、無生訣は仏師と仏経を記す。4書を合刻し『仙仏奇踪』と称す。本書は万暦30年(1602)序の刊本。
  81. 李太白詩 (リタイハクシ) 25巻
    李白の漢詩集。この本にはほぼ全巻にわたり、黒細筆で極めて目立たぬように、字間にゝ或は小○の句点を施してある。授受の際の便にしたものであろうか。
  82. 集千家註批点杜工部詩集 (シュウセンカチュウヒテントコウブシシュウ) 20巻
    杜甫の漢詩集。本書は杜工部詩集附録として、元稹撰墓誌銘、宋祁撰唐文芸伝、杜工部年譜があり、巻末に「正徳己卯年仲夏月劉氏安正堂□」の木記がある。
  83. 朱文公校昌黎先生集 40巻 外集10巻 遺文1巻 集伝1巻 (シュブンコウコウショウレイセンセイブンシュウ)
    唐の韓愈の詩文集の注釈書で、注者は不詳。本書は朝鮮活字印本。
  84. 白氏文集 (ハクシモンジュウ・ハクシブンシュウ) 71巻
    唐の白居易(白楽天)の詩文集。日本へは平安時代に伝わり、「源氏物語」「枕草子」等にも影響を与える。単に「文集」とも称される。本書は元和4年の那波道円活字印本。
  85. 明本排字増広附音釈文三註 (ミンポンハイジゾウコウフオンシャクブンサンチュウ) 3巻
    胡曽の詩文集『胡曽詠史詩』の註釈書で、宋の胡元質の註。三註とは胡元質注の『胡曽詠史詩』、李邏注の『千字文』、李瀚注の『蒙求』を指す。
  86. 明本排字増広附音釈文三註 (ミンポンハイジゾウコウフオンシャクブンサンチュウ) 3巻
    胡曽の詩文集『胡曽詠史詩』の註釈書で、宋の胡元質の註。3巻末に「古杭勤真繡余氏書堂梓」とあり。
  87. 鐔津文集 (タンシンモンジュウ) 20巻
    北宋代の禅僧・仏日契嵩の詩文集。至元19年(1282)の跋の付く当館で最も古い書籍で、20巻が揃っている「鐔津文集」としては世界最古のものと評されている。
  88. 蘇老泉文集 (ソロウセンブンシュウ) 13巻
    蘇洵(老泉)の詩文集。前に呉興後学淩濛初序、本伝がある。板心に「蘇老泉集」と標し、淩序第1葉板心下方に「鄭聖卿刻」とある。
  89. 東坡全集 (トウバゼンシュウ) 115巻
    北宋の蘇軾(東坡居士)の詩文集。首に宋孝宗賜勅、次に宋史本伝、蘇轍撰墓誌銘、王宗稷撰年譜がある。
  90. 増刊校正王状元集註分類東坡先生詩 (ゾウカンコウセイオウジョウゲンシュウチュウブンルイトウバセンセイシ) 25巻
    蘇軾(東坡居士)の詩の注釈書。宋の王十朋集の注で、多くの宋代の註釈家の説を集め、詩題により分類、排列する。本書は元刊本の匡郭外を切り捨て、和紙に貼って改装し識語を記す。
  91. 増刊校正王状元集註分類東坡先生詩 残7巻 坿紀年録1巻 (ゾウカンコウセイオウジョウゲンシュウチュウブンルイトウバセンセイシ)
    朝鮮活字印本を和紙に貼りつけ、漢文或は細字片仮名交り文で抄を細写した。抄は瑞渓の「脞説」、万里の「天下白」、太岳の「翰苑遺芳」と瑞巌、天隠、蘭坡、河済、月舟等の説である。不全本。
  92. 山谷詩集注 (サンゴクシシュウチュウ) 20巻
    黄庭堅(山谷)の詩文集の注釈書。本書は末に紹定壬辰の跋があり、紹定本によった南北朝時の覆刊本。
  93. 山谷詩集注 (サンゴクシシュウチュウ) 20巻
    黄庭堅(山谷)の詩文集の注釈書。本書は南北朝時代の刊本に拠る写本。眉欄行間に識語が多い。
  94. 山谷内集詩註 20巻 外集詩註17巻 別集詩註2巻 (サンゴクナイシュウシチュウ)
    黄庭堅(山谷)の詩文集の注釈書で、内集詩註、外集詩註、別集詩註よりなる。朝鮮木活字印本で、同版本が内閣文庫や大東急記念文庫にあり。
  95. 亀山先生集 42巻 首1巻 (キザンセンセイシュウ)
    北宋の楊時(亀山先生)の詩文集。本書は万暦19年(1591)の刊本。
  96. 海瓊白先生集 (カイケイハクセンセイシュウ)
    南宋の道士・白玉蟾の詩文集。巻尾に「梅庵漆桶万里渉臘比集三遍于洛于尾于武長亨丁未仲冬十七江戸城梅花無蔵下書之」と識語がある。長亨元年(1487)に万里集九が太田道灌の江戸城で写したとされるが、その転写本と思われる。
  97. 宋学士集 (ソウガクシシュウ) 33巻
    宋濂の詩文集。本書は、嘉靖庚戌(19年)の雷礼序、嘉靖30年(1551)の陳元珂序がある刊本。
  98. 王文恪公全集 36巻 坿鵑音1巻 白杜詩草1巻 (オウブンカクコウゼンシュウ)
    明の王鏊(文恪)の詩文集。前に嘉靖15年(1536)の霍韜序、朱国楨序、董其昌序、名公筆記がある。
  99. 賜閒堂集 (シカンドウシュウ) 40巻
    明の申時行(文定)の詩文集。時行は万暦42年に卒したが、本書は万暦44年の鄒元の標と焦竑の序がある。没後2年の成書となる。
  100. 文選 (モンゼン) 60巻
    文選は周から梁の時代までの優れた詩文を編集したもので、800余の詩文を収録する。本書は直江兼続が慶長12年に京都の要法寺に印刷させた文選で、「直江版文選」として著名である。
  101. 広文選 (コウモンゼン) 60巻
    南朝梁の昭明太子によって編纂された詩文集『文選』の補遺を記したもの。本書は嘉靖12年(1533)序の刊本。
  102. 唐詩品彙 (トウシヒンイ) 90巻
    明代初期の高棅の手による唐詩の選集。作者620人、詩5769首を選録。その後編集された『唐詩選』の種本となる。
  103. 唐詩拾遺 (トウシシュウイ) 10巻
    唐詩の選集『唐詩品彙』の拾遺本。
  104. 雅音会編 (ガオンカイヘン) 12巻
    唐詩の中から絶句・排律・律詩の名品3800余を選出し、韻別に分類したもの。作詩の参考書。
  105. 魁本大字諸儒箋解古文真宝後集 (カイホンダイジショジュセンカイコブンシンポウコウシュウ) 10巻
    『古文真宝」は漢代から宋代までの古詩や文辞を収めた書物。本書は慶長元和頃の活字印本と推定されている。
  106. 古今振雅雲箋 (ココンシンガウンセン) 10巻
    周より明に至るまでの尺牘の文を諸書より採集分類したもの。本書は封面に古今尺牘振雅雲箋、天禄閣蔵版とある明刊本。
  107. 李卓吾先生批評三国志 120回 (リタクゴセンセイヒヒョウサンゴクシ)
    中国の明代に書かれた、後漢末・三国時代を舞台とする通俗歴史小説『三国志演義』。四大奇書の一つ。本書は明刊本で「建陽呉観明刻」とある。
  108. 新刻逸田叟女仙外史 100回 (シンコクイツデンソウジョセンガイシ)
    中国の清代に書かれた歴史小説。本書は封面上欄に「新大奇書」、中央に「女仙外史」、右欄に「古稀逸田呂叟」、左欄に「釣璜軒貯板」とある。
  109. 劍嘯閣批評秘本出像隋史遺文 12巻60回 (ケンショウカクヒヒョウヒホンシュツゾウズイシイブン)
    明末清初に書かれた小説。本書は崇禎6年(1633)序の刊本。
  110. 皋鶴堂批評第一奇書金瓶梅 100回 (コウカクドウヒヒョウダイイチキショキンペイバイ)
    『金瓶梅』は中国・明代の長編小説。好色文学で、四大奇書の一つ。本書は康熙34年(1695)の刊行本。
  111. 居家必備 (キョカヒツビ) 10巻
    家庭での教育に必備なものとして、家儀・懿訓・治生・奉養・餌養・飲饌・芸学・清課の八門に分け、歴代名賢の書を抄引して解説したもの。
  112. 論語抄 (ロンゴショウ) 10巻
    「論語聴塵」のことで、清原宣賢が家伝の学説に自己の発明した見解を加味した講義録。
  113. 四書匯編 (シショカイヘン) 35巻
    凡例によると、四書に関する従来の注釈が余りに引用が多いのを不便とし、旧説を集めて整理したものであるという。巻首の序は、魯庵の子・曽根俊虎の請を受け、明治12年に欽差大臣全権大使として日本に派遣された何如璋による。
  114. 御定奎章全韻  (ギョテイケイショウゼンイン) 2巻
    正祖が奎章閣の諸臣に命じて編纂せしめた韻書で、四声によって分類する。原書は1800年に出来き内閣で印行されたが、本館蔵本は末尾に「辛亥孟春由泉堂刊」の刊記の示す通り、市井の版本である。
  115. 篆海心鏡 (テンカイシンキョウ) 5巻
    篆書の字典で、文字を四声に分類排列し、字ごとに楷体の下に玉筋体の篆書と、その変法とを並べる。本書は、粛宗元年に、咸鏡道観察使であった爾徴の子呂雲浦が刊行したもの。
  116. 史記桃源抄 (シキトウゲンショウ)
    京都五山の僧・桃源瑞仙が、門弟らに「史記」を講説した口語仮名抄。史記の解釈のみならず、当時の口語資料としても注目される。本書は、解題では東洋文庫所蔵本(「米沢蔵書」印・20冊・永禄7年の奥書)とセットであったとするが、書形(27.5×20.9)が異なり検討を要する。
  117. 史記幻雲抄 (シキゲンウンショウ)
    史記の章句ならびに音義に関する旧説を漢文体にて引用し、時には「幻謂」或は「幻按」として自説をもって批判したもの。なお、米沢では誤って史記桃源抄として認識され、題簽は「史記桃原抄」である。昭和33年の調査で、幻雲抄に区別された。
  118. 史記英選 (シキエイセン) 6巻
    司馬遷の『史記』から、一本紀・二世家・二十二列伝・大史公自序を抽出したもの。前年(正祖19年)には8巻.4冊の製版本が出されたが、本書は、最後の2巻を削り活字印刷したもの。
  119. 熙朝軼事 (キチョウイツジ) 2巻
    人々の徳を後世に残すため、「公私見聞録」「雷淵集」等31種の記録雑著よりその伝を抄録したもの。84人の逸事を、孝友・忠義・文学・書画・琴碁・医卜・烈女の順に排列する。本書は朝鮮李太王3年(1886)序の刊本。
  120. 大明律解 (ダイミンリツカイ) 37巻
    荻生徂徠撰の『明律国字解』30巻と『問刑條例』7巻よりなる写本。箱には鷹山公御手写の貼り紙があり、上杉鷹山手写本として伝来。全編にわたり朱筆の校正が施される。
  121. 簡礼彙纂 (カンレイイサン)
    朝鮮で刊行された、書儀(儀礼に基づいた公文書や手紙の書式)に関する書。
  122. 進修堂監定時行簡禮彙纂 (シンシュウドウカンテイジコウカンレイイサン)
    朝鮮で刊行された、書儀(儀礼に基づいた公文書や手紙の書式)に関する書。本書は、簡礼彙纂が刊行以来久しく板が破損し、地方制度や官制にも改革があったので、改訂増補を加え重刻したもの。
  123. 帝鑑図説 (テイカンズセツ) 12巻
    上代から宋にいたる間の諸帝の善悪の政績を、絵入りで説明したもの。本書は豊臣秀頼開板の慶長11年活字本のうち、無跋本を翻訳刊行したもの。
  124. 管蠡抄 (カンレイショウ) 10巻
    日本で作成された類書で、1巻では君体・明君・明賞罰・知人・任賢等の11項目に分け、中国の古書より名句・故事等を抄録している。
  125. 安驥集 (アンキシュウ) 60巻
    『安驥集』は中国・唐時代に作られた馬医書。本書はそれを抜粋和訳したもので、巻末等に元禄元年・元亀2年の年記、訳著者名とおぼしき仲国・仲綱の名や、桑嶋新左衛門尉・小松源次郎・同久蔵等の名がみられる。
  126. 蒙求抄 (モウギュウショウ) 3巻
    蒙求(中国の唐時代に、人物の伝記や説話をまとめた児童用教科書)の注釈本。本書は室町期の写本と考えられる。
  127. 韻書(袖珍) (インショ (シュウチン))
    韻の順序に、その字を用いた詩文を諸書より採集列記し、作詩者の便に供した一種の韻書。前田慶次の書籍と伝えられるが、室町時代五山関係の僧侶と撰と考えられる。
  128. 胡曽詠史詩抄 (コソウエイシシショウ) 3巻
    胡曽の詩文集『胡曽詠史詩』の注釈書。先ず詩をあげ、次に漢文あるいは片仮名交り文で注釈する古写本。
  129. 山谷詩集注 (サンコクシシュウチュウ) 20巻
    黄庭堅(山谷)の「山谷詩集」の注釈書。撰者は不詳だが、序巻の冒頭に、樵雲(惟肖老師・蕉雲)から万里集九・月舟寿桂(幻雲)まで13注家の名号が記される。
  130. 朱書百選 (シュショヒャクセン) 6巻
    朝鮮の正祖が、朱熹の尺牘(手紙・書翰)71編を選集したもの。本書は正祖18年(1794)の内閣活字印本。
  131. 空華文集 (クウゲモンジュウ) 20巻
    臨済宗の僧・義堂周信の詩文集。応永元年(1349)に五山版として開板され、更に元禄9年(1696)に即川の校訂をへて再刊された。本書は元禄版を写したものと考えられる。
  132. 読耕林先生文集 20巻 詩集20巻 外集20巻 (トクコウハヤシセンセイブンシュウ)
    林読耕斎の全集で、首には「読耕林先生全集」と題する。本文前に兄恕撰の読耕林子年譜がある。本書は寛文9年(1669)序の刊本。
  133. 慕夏堂文集 1巻 年譜1巻 附録1巻 (ボカドウブンシュウ)
    金忠善の詩文集。本書には、崇禎後4壬寅姜必孝序、壬寅朴光錫跋があり、憲宗8年(1842)の刊本である。
  134. 濯纓集 (タクエイシュウ) 2巻
    賦、雑著、詩等を収める。蓬左文庫(名古屋市)に同版本あり。
  135. 徳隠遺稿 (トクインイコウ) 3巻
    朴雲寿(徳隠)の遺稿集。巻1は詩、巻2は書・序・記・祭文・告文・祈雨文・行録を収め、巻3は附録。本書は高宗31年(1894)の刊本。
  136. 三体詩絶句鈔 (サンタイシゼックショウ) 6巻
    塩瀬宗和編の三体詩絶句の注釈書。古活字印本であるが、後ろの跋は写刻製版で、「于時元和第六庚申仲夏吉旦 前南禅古澗叟慈稽誌焉」とある。京都大学所蔵本と同版本か。
  137. 精選唐宋千家聯珠詩格 (セイセントウソウセンカレンジュシカク) 20巻
    漢詩集。序によると、于済の輯したのは3巻、それを蔡正孫が訂正増補して20巻とし、その子弥高に命じて刊させたという。
  138. 錦繡段抄 (キンシュウダンショウ) 1巻
    『錦繡段』は天隠龍澤が編集した漢詩集。唐から明に到る詩人の七言絶句を、天文・地理等18門に分類し収録する。本書はその注釈書で、詩は訓読し、平声には傍点を施し、解は片仮名交り文。
  139. 古文真宝後集抄 (コブンシンポウコウシュウショウ) 10巻
    中国の戦国時代から北宋までの名文を集めた「古文真宝」後集の注釈書。本書は天正16年に上洛した直江兼続が南化玄興から借受け、複数で書写したもの。南化は序文を与え、兼続の漢詩文に対する姿勢を称賛している。
  140. 笑雲和尚古文真宝之抄 (ショウウンオショウコブンシンポウノショウ) 13巻
    中国の戦国時代から北宋までの名文を集めた『古文真宝』の注釈書。本書は元和3年刊の古活字本で、巻1・巻4・巻5が上下に分割し、13冊目が巻10となるが、その巻末は元和3年の刊記に続き、「笑雲和尚古文真宝之抄巻之十三終」と記す。
  141. 古文真宝後集抄 (コブンシンポウコウシュウショウ) 10巻
    『古文真宝』後集の注釈書で上下2冊本。直江兼続が南化玄興に借りて書写した米沢善本139の『古文真宝後集抄』(21冊)と、同じ装丁であり、題簽の南化和尚の印も同じ。
  142. 儷語編類 (レイゴヘンルイ) 20巻
    朝鮮の趙仁奎が、諸家の46文を抜粋し、詔・勅・表等の文体により21類に分け編纂したもの。本書は嘉靖12年(1542)序の朝鮮金属活字印本。
  143. 国学槐詩集 (コクガクカイシシユ)
    琉球(沖縄)の漢詩集。向如霖、鄭元偉(書家として著名)、蔡呈祚、翁永保、向長庚、顧余禧、駱紹業、向士元、駱維瑚などの詩が収められる。
  144. 経伝序集 (ケイデンジョシュウ)
    『要務彙編』(琉球の蔡温が尚敬王の教育のためまとめた書)や、中国の『四書彙解』『詩経衍義』などの諸書より、その序文のみを筆写したもの。
  145. 太学恩杯詩集 5巻 首1巻 (ダイガクオンハイシシュウ)
    正祖22年12月に正祖が太学に臨席、『詩経』の「我有嘉賓」の句を刻んだ銀杯を贈った。それに謝して太学生が奉上した詩文を編集・刊行したもの。表紙裏に正祖23年の内賜記がある。
  146. 詩学大成抄 (シガクタイセイショウ)
    詩作用の類書(多くの書物から類似の事項を集めて分類し編集したもの)である『詩学大成』の抄物。原典の『詩学大成』は現存しないと考えられる。室町時代の言語(国語)を研究するのに重要な資料となっている。
  147. 倭名類聚抄 (ワミョウルイジュショウ) 20巻
    平安時代中期、源順が編集した漢和辞典。本書は元和3年に那波道円が刊行した古活字印本。禅林寺の九山和尚旧蔵本。
  148. 好古堂隨筆 いろは (コウコドウズイヒツ イロハ)
    莅戸の随筆集の一つ。空海のいろは47字について、その出所を糺し、仮名の訓釈も施す。また、付録として宇都宮遯庵の以呂波の伝などを付す。
  149. 好古堂随筆 こふなもの (コウコドウズイヒツ コウナモノ)
    莅戸の随筆集の一つ。莅戸が戯れに、友との問答になぞらえ、理屈をもって天地間の森羅万象を推論したもの。版心に好古堂と印刷した用箋に写す。
  150. 好古堂随筆 筆の友 (コウコドウズイヒツ フデノトモ)
    莅戸の随筆集の一つ。問ふ人の跡たへて、雪ふる庵のつれづれに、思いよるいたずらごとを、書き集めたもの。版心に好古堂と印刷した用箋に写す。
  151. 長暦 (チョウレキ) 2巻
    長暦は日の善悪、四季土用、歳徳の所座など暦上の術数を考究したもの。巻1の序末に「時寛永甲戌夏」の年記がある。
  152. 沙石集 (シャセキシュウ)
    鎌倉中期に書かれた仏教説話集で、「ねずみの嫁とり」などの有名な説話も含まれ、後世の狂言や落語に影響をあたえた。本書は記述量の多い広本系の室町後期の写本で、古い形態を残す善本として底本・比較本によく利用される。
  153. 狂雲集 (キョウウンシュウ) 2巻
    一休宗純の頌・偈・賛等を集めたもの。本書は寛永19年(1642)に河南四郎右衛門より刊行されたもので、現在知られる狂雲集最古の印本である。
  154. 家忠日記増補追加 (イエタダニッキゾウホツイカ) 25巻
    祖父家忠の日記に基づき、松平清康から徳川家康までの、徳川創業記として編纂したもの。寛文5年(1665)の著者の発題あり。
  155. 応仁記 (オウニンキ) 2巻
    応仁の乱を描いた軍記物語。本書は寛永10年(1633)の刊本で、元和寛永中活字印本に基づき、訓点を附して覆刻したものと思われる。
  156. 慶長日記 (ケイチョウニッキ) 13巻
    徳川氏関係の要件雑記で、慶長10年正月に始まり、12巻は同20年(元和元年)で終わる。13巻は「御陣押ノ事」など日付なしの記事。江戸初期の写本。
  157. 元和日記 (ゲンナニッキ) 2巻
    徳川幕府の要件記事の日記、元和元年7月13日改元の記事より、元和2年8月に至る。江戸初期の写本。
  158. 古事記 (コジキ) 3巻
    奈良初期に編纂された天皇家の記録(神話とする説や、歴史書とする説あり)。本書は寛永21年(正保元・1644)の刊本で、古事記の刊本として最も古いものであろう。
  159. 四季草 (シキクサ) 7巻
    弓矢・甲冑・官位・衣服・刀剣・武家礼法・家事の有識書。奥書に「安永五年丙申二月十五日 伊勢貞丈之蔵本乞受写畢 忠寄 寛政九丁巳歳首夏全部七巻 立岩滋野則賀書写 花押」。
  160. 釈日本紀 (シャクニホンギ) 28巻
    鎌倉時代に書かれた『日本書紀』の注釈書。10巻の奥書には「写本云正安四年正月十九日点校了於灯下一覧畢 大常卿卜部朝臣兼永」の記載。
  161. 神皇正統録 (ジンノウショウトウロク) 4巻
    神代から後鳥羽天皇建久9年まで、歴朝毎に繫け記した略史。本書は江戸初期の写本で、「麻谷蔵書」印あり。
  162. 日本書紀神代私説  (ニホンショキジンダイシセツ) 8巻
    『日本書記』30巻の1.2巻にあたる神代について、神道・儒家の説を詳説したもので、漢文体で記される。
  163. 保暦間記 (ホウリャクカンキ) 2巻
    保元の乱から、暦応2年の後醍醐天皇の死の頃までを記述した歴史書。本書は巻頭に「小瀬道甫刊」とあり、儒医・小瀬の活字本に基づき、慶長元和中に印行されたもの。
  164. 明德記 (メイトクキ) 3巻
    明徳元年(1390)に、足利義満が山名氏の反乱を討滅した始末を記したもの。本書は寛永9年(1632)の刊本。
  165. 大和姫命世記 (ヤマトヒメミコトセイキ)
    伊勢(度会)神道の根本経典である神道五部書の一つ。本書は、寛永19年に米沢新田藩・上杉勝周が謹写し、米沢の鎮守である白子大明神に奉納したもの。
  166. 良将達徳鈔 10巻 補遺序目各1巻 (リョウショウタットクショウ)
    室町末期から徳川初期の、明辟・良弼・梟将・謀臣・義士・勇夫の格言・言行を摘出評論する。本書は、従来は著者手稿本と言われてきたが、誤謬も見られ、写本であろう。
  167. 良将達徳鈔 二集 (リョウショウタットクショウ)
    室町末期から徳川初期の、明辟・良弼・梟将・謀臣・義士・勇夫の格言・言行を摘出評論する。本書は、従来は著者手稿本と言われてきたが、誤謬も見られ、写本であろう。
  168. 聖徳太子伝暦 (ショウトクタイシデンリャク)
    聖徳太子の伝記で、編年体で記す。延喜17年(917)に藤原兼輔が撰述したとされるが、異説もある。本書は寛永5年(1628)の刊本。
  169. 聖徳太子伝暦 (ショウトクタイシデンリャク)
    聖徳太子の伝記で、編年体で記す。本書は「仙誉」による写本。上下巻の区画は寛永5年刊本と一致するが、末尾に太子馬脳記文と太子末世記文とを附載する。
  170. 諸将旗旌図 (ショショウキセイズ) 3巻
    将軍および大名・旗本等の旗指物や馬印を図記した書。本書は寛永14年(1637)の刊本。
  171. 清正記 (キヨマサキ) 4巻
    加藤清正の伝記。成立時期は不詳だが、17世紀中ごろと推定される。本書は寛文3年(1663)の刊本。
  172. 出羽国風土略記 (デワノクニフウドリャッキ) 10巻
    出羽国の地理・沿革・名所・産物等を詳述する。1~4巻は田川郡、5・6巻は飽海郡、7巻は飛鳥郡、8巻は由利郡、9巻は秋田・手鹿・山本の3郡、10巻は最上・村山・置賜の3郡。
  173. 日本鹿子 14巻 序目1巻 (ニホンガノコ)
    五畿七道の城市・社寺・知行高・名所旧蹟・名物・里程などを略記した旅行案内記。本書は元禄4年(1691)の刊本で、初版本と思われる。
  174. 世の手本 (ヨノテホン)
    前田家・島津家・細川家などの大大名や小大名の行っている善政・善風儀を、世の手本として紹介している。
  175. 侍中群要 (ジチュウグンヨウ) 10巻
    平安時代の中期に成立した有職故実の書。侍中は蔵人の唐名で、蔵人の職掌に関することを記す。従前は橘広相の撰と言われたが、文中の年号から否定される。
  176. 職原抄 (ショクゲンショウ) 2巻
    南北朝時代の有職故実の書。官位の沿革・補任・昇進の次第など漢文で記す。本書は「于時慶長戊申夏四月蚯蚓出日 吏部少卿清原秀賢誌」の刊記がある慶長13年(1608)刊本。墨書の書き込みが多い。
  177. 職原私抄 (ショクゲンシショウ) 2巻
    北畠の『職原抄』を仮名講釈した注釈書。本書は巻首第5行目に「職原抄 清三位入道宗尤私抄」と抄者名を示す。
  178. 流虬百花譜 (リュウキュウヒャッカフ)
    本草学者の佐藤中陵が編集した琉球の植物図譜の写。佐藤は薩摩藩から招聘され天明年間に琉球を調査した。米沢藩は寛政4年(1792)に佐藤を招聘し本草学を学んでいる。この際に米沢で写されたものと思われる。
  179. 以呂波声母伝 (イロハセイボデン)
    いろは47字が声音の根源なることを論じたもので、47字の意味を述べた『以呂波訓義』と対をなす。本書は寛政6年(1794)中村和彦による写本。
  180. 和玉篇 (ワゴクヘン) 2巻
    「わぎょくへん」とも読む。室町時代に作成された漢和辞書で、部首ごとに配列され、漢字の音と和訓が記される。本書は室町末期から江戸初期の写本で、音を右傍、訓を下に片仮名で並記する。
  181. 伊呂波名所連歌附合 (イロハメイショレンガツケアイ)
    連歌に伝える地名750種を「いろは」順に挙げ、更にそれらの付合を類集する。諸家の読例をも掲載。本書は江戸中期の写本。
  182. 奥道中歌 (オクドウチュウウタ)
    仙台国分町から松前までの奥州道中の名所を、絵と歌に織込む。本書は、文政2年仙台伊勢屋半右衛門の刊本。
  183. 隨葉集 (ズイヨウシュウ) 10巻
    発句の用語を類聚したもので、多くの用例を挙示する。本書は寛永14年西村文左衛門の刊本。
  184. 独吟千句 (ドクギンセンク)
    猪苗代兼載の連歌千句。部立は何路第一・何本第二・山何第三・何人第四・薄何第五・何船第六・朝何第七・初何第八・何田第九・二字反音第十と賦す。
  185. 独吟千句 (ドクギンセンク)
    紹巴が称名院右府入道の追善のため、永禄6年12月14日から18日に詠んだ独吟の連歌千句。
  186. 百人一首抄 (ヒャクニンイッシュショウ)
    米沢本と称される百人一首の注釈書。著名な「応永抄」や「宗祇抄」と内容が異なり、冷泉系の注釈書の可能性が指摘されている(井上宗雄「『百人一首抄』の序文について-実暁記本と米沢本と-」)。
  187. 百人一首抄 (ヒャクニンイッシュショウ) 3巻
    百人一首の抄本の一つ。奥書によると、慶長元年の大晦日に丹山隠士(細川幽斎)が、師・宗祇の「百人一首抄」をもとにして取捨を加えたものであることが知られる。
  188. 昼の錦 (ヒルノニシキ)
    蕉門十哲の一人である其角が、俳諧の心得25ヶ條を解説したもの。元禄17年(1704)2月13日の自序がある。本書は江戸後期の写本。
  189. 不亡鈔 (フボウショウ) 4巻
    室鳩巣の作とされる随想録。学問・礼楽・師範・朋友故人・孝養・育子・主君・農工商・税法・禁制・賞罰・奉行・葬喪・追腹などについての教訓を通俗的に述べる。
  190. 奉詠獨千首和歌 (ホウエイドクセンシュワカ)
    高津が上杉勝延(綱憲3男)の依頼を受け、和歌千首を吟じ、延享4年に「奉納千首題和歌」「神前詠奉百首和歌」の2部と共に白子神社に奉納したもの。  
  191. 無言抄 (ムゴンショウ) 3巻
    発句の諸法、付合、名寄などを記したもので、里村紹巴の校閲を経ている。本書は元和9年(1623)の刊本。
  192. 大坂物語 (オオサカモノガタリ) 2巻
    大坂冬の陣、夏の陣を記した戦記。本書は寛永年中の古活字印本で、川瀬一馬著『古活字版之研究』によれば、第4種本系統で、原装を伝える一本である。
  193. 源氏物語 (ゲンジモノガタリ) 54巻
    本書は源氏物語54帖の江戸時代初期の写本。青表紙本系統に属する、比較的誤脱の少ない善本である。
  194. 源平盛衰記 (ゲンペイセイスイキ) 48巻
    源氏・平家の盛衰興亡を詳しく叙述する軍記物語。平家物語の異本の一つとみられる。本書は慶長期の古活字本で、刷や保存状態の良い善本である。表紙は押八双が確認され原装であるが、題簽は後補と思われる。
  195. 古今著聞集 (ココンチョモンジュウ) 20巻
    鎌倉時代の説話集。建長6年(1254)に成立し、その後増補された。本書は暦応2年(1339)「老桑門 在判」の奥書のある伝本を祖本としており、本文の漢字には平仮名による振仮名がある。
  196. 松蔭日記 (マツカゲニッキ) 4巻
    別名「武蔵野記」。夫である柳沢吉保の、貞享2年頃より宝永6年に亘る25年間の半生を描いた日記文学。
  197. 承久記 (ジョウキュウキ) 2巻
    承久3年(1221)の後鳥羽上皇の挙兵から始まる承久の乱を記した軍記物。本書は寛永年中の刊本で、慶長活字版による製版本とされる。
  198. 太平記 (タイヘイキ)
    『太平記』は南北朝動乱期の歴史を描いた軍記物語。本書は室町末期頃の写本で、巻目次は流布本と異なり、かつ巻22を欠く。他の時代の古い写本は巻22を欠き、本書も旧体を残す古写本である。
  199. 太平記 (タイヘイキ)
    『太平記』は南北朝動乱期の歴史を描いた軍記物語。本書は慶長元和中活字印本。
  200. 火おけのそうし (ヒオケノソウシ)
    奈良絵本と呼ばれる、金銀泥や朱・緑など鮮やかな色彩で描かれた挿絵が入る短編物語。お伽草子の一つで、夫が大事にしていた火桶を妻が嫉妬して割り口論となるが、儒教・仏教・和歌などを引用した問答の末、最後に仲直りをする教訓的・啓蒙的な物語。
  201. ふんしやう (ブンショウ) 3巻
    室町時代の御伽草子「文正草子」。「塩焼き文正」とも。鹿島大明神の宮司の下男であった文正が、塩売りをして長者になり、娘は彩色兼備に育ち中宮となり、自分も大納言まで昇る庶民の出世物語。江戸前期の奈良絵本で美しい挿絵が描かれる。
  202. 平家物語 (ヘイケモノガタリ)
    『平家物語』は、平家の栄華と没落を描いた軍記物語。本書は寛永中活字印本。
  203. 平家物語 (ヘイケモノガタリ) 12巻
    『平家物語』の室町後期の写本。「剣」「鏡」「宗論」の各巻を設け、「灌頂」は巻なく、第12巻に「義経最後巻」を置く。
  204. 平家物語 (ヘイケモノガタリ) 12巻
    米沢本と称される室町時代の写本。漢字平仮名交じりの8行で書かれる。平家物語の語り(平曲)が最も盛んな時代の姿を残す写本として、冨倉徳次郎著『平家物語全注釈』の底本に利用されている。
  205. 平治物語 (ヘイジ゛モノガタリ) 3巻
    平治の乱(1156)の顛末を描いた軍記物語。本書は寛永元年の京都権十郎刊本。
  206. 保元物語 (ホウゲンモノガタリ) 3巻
    保元の乱(1156)の顛末を描いた軍記物語。本書は寛永年中の刊本。
  207. 旅のすさび (タビノスサビ) 2巻
    別名「駿河紀行」。飯田は享和元年に米沢新田藩主・上杉勝定(駿河守)に上京、さらに駿府加番を命じられた勝定に従い駿河に赴く。その上京の紀行文。
  208. 前田慶次道中日記 (マエダケイジドウチュウニッキ)
    前田慶次が慶長6年10月24日に京都伏見を出発し、11月29日に米沢に着くまでの26日間の旅日記。道中の名所・歌枕では和歌や漢詩を詠むなど、古典に精通し和歌・俳句を嗜む慶次の文人ぶりがうかがえる。また、その土地の俗諺や風習も描写しており、歴史民俗資料としても貴重である。

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